ガスケット剥がしの前に・・・
こいつ洗浄しときました。
今、現状のDT200WRのフレームは、カクカクシカジカの理由で破棄するので、この予備フレームに載せ変えするんですが、この予備フレームの錆が結構酷い・・・
で、そのまま組む気になれないんで、明日、サンドブラストに出しに行きます。
この塗装もヤレて、錆だらけのフレームがどう上がってくるか(ブラスト掛けっぱなしの塗装無しでお願いします)楽しみです。
フレーム洗浄が終わったらTT250R Raidのシリンダー仕上げに入ります!
まず、気に生るのが
シリンダースリーブ最上部の、ピストン・トップリングが当たらないピストンクラウン部⇔トップリング間に溜まったこのカーボン。
ピストンとシリンダーの極小の隙間に溜まったカーボンで、一般には排気量に加味されない認識のところなんだけど、愛読書であるつじつかさ先生の本によると、この極小の隙間であっても、技術者(エンジン設計者)さん達は、排気量・圧縮比の関係で頭を悩ませる部分でもあるそうだ。
そんな大事なところだから、もちろんこのカーボンも確り落としますよ!
ここも必殺“塗装はがし剤”でカーボンを緩くしてやってから、スクレーパーでシリンダーに傷を入れないよう、ジックリとカーボンを落として行きます。(カーボンが乗ってるのが、アルミでなくスリーブなんで、意外と簡単に剥がれ落ちていきます)
もちろん、塗装はがし剤は、シリンダーについているオイル分も溶かしてしまうので、作業が終わったら、綺麗に塗装はがし剤を洗い流して、即、シリンダーにオイルを塗布するのを忘れてはなりません。
ついでに・・・
ついでに、塗装はがし剤で、カムチェーン室に長年掛けてついたオイル汚れも落としておきます。
シリンダーのカーボンとカムチェーン室の汚れを落として、一旦シリンダーを洗浄して、シリンダースリーブに4ストオイルを塗りこんでおきます。
お次にガスケットはがし。
ヘッド側のメタルガスケットに付着していたシール剤のようなものは、上のシリンダー壁のカーボンを落とした時に、ついでに・・・と、塗装はがし剤とブラシで擦ったらある程度落ちてしまったけど、問題はベースガスケット。
コレでもか!!
ってくらい確り引っ付いちゃってます。
エンジンO/Hにて、皆が一番めんどくさがるのが、今までやってきたカーボン落としと、そしてこのガスケットはがし。
でも、これを確りやっとかないと、組み終わってから問題出まくり(オイル漏れとか圧縮抜けとか。水冷なら冷却水漏れなんかも出ますね)なんで、キッチリ作業を終わらせましょ!
で、まず、二年前にゼファーの腰上やった時に、ためしに買って使ってみたら、
完全に詐欺にあったとばかりに効果の無く、そのまま使わず余ってた、デイトナ社のガスケットリムーバーがあったので、もう一度試しに・・・と使ってみたんだけど、
デイトナ ガスケットリムーバー 420ml 価格1365円(税込み)結局、ゼファーの時と同様、
ビックリするほど全く効果無し!!もうホント、あきれるぐらい、なんも効果がないんですわ。
ガスケットリムーバーなのに、実際は、“速乾性の安物のパーツクリーナー”と同じ効果ってナニ??
つか、“速乾”ってなんだ???浸透するのはするみたいだが、どれだけぶっ掛けても、ぜんぜんガスケットの硬さが変わらないくせして、
浸透する前に直ぐに乾いたら意味ね~だろ!!期待して少しだけ頑張ってみましたが、やはりコイツは駄目駄目です。
ガスケットリムーバーって名に騙されて、こんなもんに高い金だしてかってしまった自分が腹立たしい!
これ買うぐらいだったら、
840mlの遅乾性パーツクリーナー買った方が100倍マシ!!とだけ言っておきます。
デイトナの製品って半分以上信頼性無いのは知ってましたが、こいつは本当に最悪です。
皆さんも注意しましょう!
(安物パーツクリーナーと同じ扱いで処分しなければいけなくなります)
って、腹立ててもしょうがないので、やっぱり“奴”に登場してもらうしかありませんな。
はい、今回大活躍の“塗装はがし剤”登場!
画像の下半分、ガスケットが綺麗に剥がれてる所は、スクレーパーにて一発でガスケットが「ペロン」と剥がれた、“当たり”部分。
で、残ったガスケットの左端の部分が完全にこびり付いてて、デイトナのガスケットリムーバーぶっ掛けてゴリゴリ頑張ってみた物の、5mm進むのに10分以上かかって暴れそう(俺が)になった所です。
まずは、残ったガスケットに、たっぷりと塗装剥がし剤を塗りこんで、10分ほど放置します。
でスクレーパーでガスケットを削ってみると・・・
おおっ!いとも簡単にスクレーパーが入る!!あれだけ硬くて、
デイトナのガスケットリムーバーでは、柔らかくもならなかったガスケットが、簡単にめくれて行くではないか!!
ガスケットを剥がす“専用品”として売り出されたデイトナのガスケットリムーバーよりも、ガスケットではなく、
“塗装”を剥がす為に売り出された“塗装剥がし剤”の方が数千倍役に立つってどうよ!?まるで、「台所専用洗剤」とか「換気扇専用洗剤」とか、「レンジ専用洗剤」とか、「ふき掃除専用洗剤」とか、色んな専用洗剤の役目を、一役でそれらの専用洗剤よりも汚れが良く落ち、さらに安く済んでしまう、
バイクを洗う為に出てきたダートスコート並みの効果ではないか!!(笑)
ま、日本人って、“専用”って言葉に弱いですからね・・・
ハード専用 とか、ミディアム専用 とか、ソフト専用 だとか、マディ専用 とか、 シャア専用とか(失礼)
ま、専用品としてそれなりの効果があれば問題ないんだけど、流石にデイトナのガスケットリムーバーだけは、専用品としてあの値段で売ってるのには苛立ちを押さえられないだけでありまして・・・
話をもどしましょ
塗装はがし剤が浸透しきれない部分のガスケットは、やっぱり硬いままなので、どうしても残ってしまいますが、
無理せず、もう一回塗装はがし剤塗ってしばらく放置して(5~15分ほど。30分近く放置すると液が固まってしまうので注意です)
無理にスクレーパーをシリンダーにこじらなくても、簡単にガスケットが剥がれます!
シリンダースリーブ根元のOリングが嵌ってた溝も、塗装はがし剤とブラシで徹底的に汚れ等を除去。
あらかたガスケットが剥がれたら、余分についた塗装はがし剤を綺麗に除去します。
一先ずこれでガスケット剥がしは終了です。
左半分が、デイトナ物でムリクリにチマチマと削ったガスケット。
右半分が、塗装剥がし剤を浸透させて、無理せずザクザクと削りおとしたガスケット。
これみただけで、どちらが作業効率が良いか解りますね。
赤丸部分が、デイトナ物で全然ガスケットが剥がれず、むりしてスクレーパーでこじってしまった傷。
対して赤の四角部分が、塗装はがし剤でガスケットを剥がした部分。スクレーパーに無理に力を加えなくて良いから、傷がほとんどありません。
浸透しきれない部分は再度塗りなおしてちょっと待って・・・の繰り返しなので、面倒に思うかもしれませんが、実際には、硬いガスケットのまま、ムリクリゴリゴリやって、チマチマ進めていくよりも、力まずサクサクガスケットを削っていけるこの方法のほうが全然楽で、シリンダーにも優しい(傷つけづらい)んです。
カーボン落としの時も活躍してくれるし、エンジンO/Hの時は「塗装はがし剤」一本買っておいた方が良いですよ!!
で、カーボンを落とし終わったシリンダー、今度はそのガスケット面の仕上げに入ります。
用意するのは、オイルストーン(包丁の砥石を小さくした奴です。ホームセンターの工具コーナーで数百円で売ってます。)とCRC。これでOK
オイルストーンとガスケット面にCRCを吹き付けて、オイルストーンをガスケット面に“面”で滑らせると、軽く引っかかるところがあります。
その引っかかるところが、見えないバリとかがあるところ。引っ掛かりがなくなるまで、オイルストーンを面で
軽く擦ってやりましょう!
必ず“面”で滑らせるように研磨する事。
力をいれず、人差し指で軽くオイルストーンが運べるなら十分です。
ヘッド側もオイルストーンで処理して、
これでシリンダーの清掃は一通り完了。
後は組むだけですね!!
時間があったら、車体に乗せてあるクランクケース側のガスケット面も、同じようにガスケット剥がし&オイルストーンで処理します。
さて、残るは、業者におねがいしてるヘッドのみ。
バルブのすり合わせ&バルブ関係を組むのは簡単だけど、シム調整だけは時間が必要。一旦E/G組んでからバルブクリアランス計って、適正シムを注文しなきゃならないから、それだけで組み上げから完成まで一~二週間必要だからね。
あっ、まだメーター周りのランプ(ウインカーとハイランプの表示電球が切れたまま)交換しなきゃいけないな・・・
TT-Rのメーターの球換えって、ソケットが大抵抜けなくてえらい目に合うから、簡単に作業できるようにソケット交換(改良)して、切れ辛いLEDにでも変えるとするか・・・
そいつはまた後日にでも・・・
おまけなかなか使う気になれない(今のところ、もったいなくて)例の2○0ccキット(WPC加工済み)です。
スリーブの厚みが・・・
ひっくり返すと
ビニール入ってるから解りづらいけど、スタンダード(右)のスリーブエンドの内側のテーパー部が、左の2○0ccキットでは殆どテーパー部が無い・・・
ワイセコと思い込んでたら、ART製だった!
ある意味、嬉しいんだけど、同じ物が手にはいるとさらに嬉しい。
下側を揃えてクラウン部を合わせると、直径が随分違いますね。
画像には撮ってませんが、ピストンピン位置を合わせて横並べにすると、ARTピストンの方が、ピストントップの位置が数ミリ高いです。(圧縮が上がってる)
一つ上の画像のバルブリセスの深さでも、スタンダードとの違いがわかると思います。
多分、ガレージハイブリッドさんのトコの奴だと思うんだけど・・・
手に入るなら、もう一個買っとくかな?(笑)
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- 2013/01/20(日) 19:37:44|
- TT250R Raid
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お疲れ様です。。
興味深くブログを拝見させていただいてます。
カーボンがガスケットリムーバや塗装剥がしで溶けるのは初耳でした。
勉強になります。
ガスケットリムーバで塗装が剥げるのは知っていたのでストレート製(本店が近所)のもので
KSRのリアサスの塗装を剥いだりしております。
多分デイトナ製よりは使えそうです。
今度はホムセンで塗装剥がしを買って試してみます。
KSRくんに突き出しプラグを使ってみました。
評価できるほど乗れませんが近所の急勾配で「あれっ粘るなぁ」と言う感じがあるので
効果はあるのかも知れません。
もう少し検証してみます。
RaidくんのOHのブログを楽しみしております。
- 2013/01/23(水) 01:41:06 |
- URL |
- なべちゃん #hfCY9RgE
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なべちゃんさん、ドモです!
ストレートが近く(しかも本店!)にあるのは羨ましいです!私のところからだと、遠いと言っても車で40分ぐらいなのですが、市内で交通量が多くて、どうしても行くのが億劫になってしまうんです。(泣)
KSR君、順調で何よりです!
私のKSR君は、先週、久々に(正月も乗る暇が無かった・・・)通勤に使ったのですが、バッテリーがご臨終になってました。(泣)
その事柄については、またブログにアップしますね。
RaidのO/H以外にも、やる事多くて、やれる事からチマチマ進めております。
(いらん事までやろうとしてるので、妄想で時間ばかり掛かってるのが現状ですが・・・(滝汗))
- 2013/01/24(木) 19:14:19 |
- URL |
- さときっつぁん #-
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